リアル逃走中の轢き逃げ犯・八田與一（はったよいち）②

　コイツは、運転中だか、駐車場でだかで、相手に因縁をつけたらしい。あのさぁ。北朝鮮の圧倒的権力者の金正恩でもないんだからさあ。何の権力もない、ただの若者なんだよ、お前は。

　だから、世の中をお前の思い通りに動かすことなんて不可能なんだよ。故に、人は、生きていく上で、多少の嫌なことがあっても、相手を攻撃せずに過ごす術を身に付けるものだ。

　無理だから。世の中の赤の他人全てを、お前の思い通りに動かして、お前に服従させるなんてことは無理だから。だから、俺も、嫌なことがあっても、そんなに直ぐに暴発・爆発しねーよ。そりゃ、犯罪被害に遭ったら別だけどさ。

　でも、歩いている途中とか電車内とかで少しぶつかられた程度で、そんなブチ切れねーよ。そんなことで一々キレていたら、何度も何度も刑務所行きになっちゃうよ。刑務所なんて絶対に行きたくねーから、その程度のことではキレねーよ。アホ草。

　てか、それまでの人生で何の恨みもなかった、その場で多少ムカつくことがあっただけの赤の他人を、そんな攻撃して故意に車でぶつかって命を奪った結果、まだ若いのに、残りの人生、全部逃走生活なんだよなあ。しかも時効はねーだろ。あっても、多分、時効ギリギリで逮捕されるんじゃねーのか？仮に時効を突破したとしても、世間はコイツに対して、物凄く冷たく接するだろうよ。

　俺も今迄の人生で、ムカつくことはあったが、もう忘れた。本当に忘れた。アルソッ〇の下請けの警備会社で働いていた時に、深夜の中学校で、アルソッ〇の機動隊員に怒鳴られて、それ以降、アルソッ〇のステッカーとかＣＭとか車両とか隊員とか見たら、パニックっつーか、物凄く嫌だったなあ。ＰＴＳＤっつーやつなのだろうか？

　まあ、でも、そんなのもう15年以上昔の話だし、今ではもう、どーでもいいですね。全然、思い出しません。他の嫌だったことも、今となっては、もう忘れている。何かあったっけ？う～ん、確実に嫌なことは毎月発生していたが、もう、今となっては、どーでもいいや。はい。なぜなら、今、この仕事をしているのが自分の使命であり、楽しいからな。こっちに専念している方が遥かに良いからな。幸せだ。

　だから、路上で多少ムカつくことがあったとしても、そいつに対して危害を加えるなんてことは、自分の人生を棒に振ることに繋がるので、やりません。犯罪行為には毅然と対応するけどね。

以下、齋藤健一の言葉

　逃走犯にならなければ、今頃、堂々とシャバで生活出来ていたのになあ。

　誰かに匿ってもらっているとしても、日中はずっと部屋の中にいて、夜間、顔が確認し辛くなった時間帯に出歩いているんじゃねーのか？でも、それだと、吸血鬼でもないのに、日光を避けて暮らしている吸血鬼と同じじゃねーかよ。マジでアホ過ぎ。

　キレることの有害性を実証している馬鹿ですね、コイツは。